あけましておめでとうございます!院長の八田です。
今日は、オーラルフレイルのお話です。みなさんはオーラルフレイルという言葉をご存じでしょうか?「オーラルフレイル」とは、お口の機能のわずかな低下やそれに伴う偏食など、お口に関する身体の衰え(フレイル)のことです。
このオーラルフレイルは、滑舌低下、食べこぼし、わずかなむせ、かめない食品が増える、口の乾燥などのわずかな変化であり、気づかずに進んでしまうこともあります。しかし、オーラルフレイルを見過ごし、対応が遅れると、身体機能の低下や要介護状態に陥る可能性がありますので、早期の発見と対応が重要と言われています。実際、口腔機能が複合的に低下した者は、低下していない者と比較して、フレイル、サルコペニア、要介護状態、死亡へのリスクがそれぞれ2倍以上高いという研究結果が報告されています。
お口の機能の衰えを把握するために、歯科医院ではお口の乾燥状態、お口の衛生状態、咬む力、舌や唇の運動機能、舌の力、ものを咬む機能、飲み込む機能の7つの項目の検査を行っており、これらの中で3つ以上の項目に低下が認められた場合には、「口腔機能低下症」と診断しています。
オーラルフレイルを予防するためには、お口の機能の衰えを早期に発見し、対応するために「かかりつけ歯科医を持つこと」、普段の生活の中で起こる「お口の機能のささいな衰えに気を付けること」、身体の健康を保つために「バランスの取れた食事をとり、適度な運動を心掛けること」が大切であるといわれています。また、これらに加えて、人と人とのつながりや積極的な社会参加といった「社会性を維持すること」が、お口の機能も含めた身体の健康に影響すると言われております。これらのことに気をつけると共に、少しでも長く健康でいられるように、まずはご自身のお口の機能の状態を把握することが重要だと言えます。