こんにちは。
今日は歯の喪失の原因についてのお話です。
現在日本では8020(80歳で20本以上の歯を維持できている)達成者の割合は、約50%ほどです。20本以上の歯を維持できていれば、ある程度問題なくお食事が可能と考えられています。今日は、歯を失ってしまう原因と日常で気を付けたいポイントについてご紹介します。
皆様は、歯が失われる3大原因をご存知でしょうか?
2018年の全国2345歯科医院で行われた抜歯原因調査の結果、う蝕(むし歯)、歯周病(歯槽膿漏)、破折(歯が割れる)の3つの要因で8割以上を占めています。
1.むし歯(29.2%)
むし歯は、お口の中の細菌が糖質を取り込むことで酸を出して、歯が溶けてしまうことを広く指します。むし歯が進行すると歯の神経に達して痛みを生じます。さらに虫歯が進行すると抜歯せざるを得ない状況になることもあります。むし歯を防ぐには原因である歯ブラシで酸を出す細菌を減らす、餌となる食べかすを取り除くことと単純ですが、不十分なブラッシング、甘いものの取りすぎなどを理由として虫歯が育ち、抜歯へとつながってしまうケースが少なくないのです。抜歯に至らないには早期発見が重要なので、定期的に歯科での検診をお勧めします。健診時にフッ素を塗布してもらい歯を強くすることもむし予防には有効です。
2.歯周病(37.1%)
歯周病は、歯と歯茎の間の溝に細菌が入り込み、歯石を形成しながら歯を支えている骨を溶かしてしまう病気です。この病気の怖いところは、初期段階では痛みはなく、気づいたときには、複数の歯で進行してしまっているところです。歯周病を防ぐには、むし歯と一緒でブラッシングが重要なのですが、一度歯石が形成されているとブラッシングでは取り除くことは難しく、取り除くには専用の機器必要です。ですので、数か月単位での歯科検診での歯のクリーニングが必要となります。
3.破折(17.8%)
破折の原因は、ほとんどが何気ない癖の継続で、歯の負担が大きくなることで生じます。特に、むし歯で治療を行っている歯ほど破折のリスクが高くなります。ですので、お食事以外で、不必要に負担をかけないようにすることが大切です。注意したいポイントについてまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
中止していただきたい癖として①喰いしばり②歯ぎしり③歯列接触癖(何もしていない時に歯が接触している)があります。本来、人の上下の歯が接触するのは、ものをかむときと飲み込む時だけです。それ以外の時に、歯の接触がある方は要注意です。これらを繰り返していると摩耗、ひび割れが進み破折へとつながります。まずは、意識的に注意してこれらの行為を行わないことが重要です。スポーツでどうしてもしてしまうことや寝ているときに無意識に行ってしまうこともあるかと思います。歯科医院では、スポーツ用のマウスガードや寝ているときに使用していただくナイトガードを製作していますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
「ご家庭での歯磨き習慣」と「歯科医院での定期的な歯科検診」の二つを行っていただき、さらに、癖や食生活などに気を付けていただければ歯の寿命は確実に延びます。