こんにちは、院長の八田です。
今日は、インプラントが残存歯(残っている歯)に与える影響についてお話しします。
私が大阪大学に在籍していた際に行った研究を基に、このテーマを掘り下げたいと思います。研究内容は、「インプラントは欠損部に隣接する歯の寿命を延ばすことができるのか」として論文化いたしました。

インプラントとは、歯を失った部分に人工の歯根を骨内に埋め込み、新たな歯を作る治療法です。他の選択肢としては、入れ歯やブリッジがあり、これらは隣接する歯を支えとして欠損部を補います。しかし、入れ歯やブリッジでは、残存する歯に過度な負担がかかることがあり、インプラントに比べて歯への負担が大きいとされています。
当時は、入れ歯やブリッジと比較して、インプラントが残存歯の予後に優れているという明確なエビデンスは多くありませんでした。そこで私は、奥歯にインプラントを行った場合と、そうでない場合における、隣接する歯の予後を調査しました。
その結果、インプラントを施したグループは、年齢や口腔の状態といった他の因子を考慮しても、インプラントを行っていないグループに比べて、歯を失う本数は少なく、有意差が見られました。つまり、奥歯にインプラント治療を行うことで、隣接する歯の寿命が延びる可能性が示唆されました。
ただし、私はインプラントが常に最適な治療法だとは考えていません。患者様それぞれの状況によっては、入れ歯やブリッジが最適な選択となる場合もあります。インプラントは、あくまで選択肢の一つに過ぎません。
もし、歯の欠損でお悩みの方がいらっしゃいましたら、ぜひご相談ください。
補綴(インプラント、入れ歯、かぶせもの)専門医、そして老年歯科専門医として、治療法をご提案できるかと思います。
この記事の監修・執筆者
八田 昂大(かえで歯科クリニック 院長)
大阪大学歯学部卒業。同大学院歯学研究科修了(歯学博士)。 大阪大学歯学部附属病院 咀嚼補綴科にて医員・助教を歴任し、2023年、岡山市北区西古松に「かえで歯科クリニック」を開院。
日本補綴歯科学会 専門医
日本老年歯科医学会 専門医
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