こんにちは。かえで歯科クリニック院長の八田です。
本日は、「良い入れ歯が死亡リスクを低下させる」という論文を紹介いたします。
本論文は、私の大学・大学院時代の同期である大阪大学の豆野智昭助教が、大阪府の後期高齢者186,893人のビッグデータを用いて解析し、2024年に発表したものです。
その結果、奥歯の噛み合わせが悪化するほど死亡の頻度が高くなることが明らかになりました。また、状態の悪い入れ歯を使用している人や、入れ歯を使用していない人は、奥歯の噛み合わせが良好な人に比べて、同じ期間内に死亡する確率が高い(最大で1.8倍)ことが分かりました。
つまり、自分の歯を保つことに加えて、歯を失った場合でも適切に入れ歯を使用することが、高齢者の健康において重要な役割を果たすことが示されたのです。
高齢化が進む中で、歯を喪失した高齢者の数は増加しており、入れ歯は歯を失うことによって低下した食事機能を補い、健康維持に役立つと考えられます。入れ歯を使用している方は、定期的にメンテナンスを行い、入れ歯を良好な状態に保つことも非常に重要です。
当院には補綴(入れ歯、インプラント、かぶせ物)専門医が在籍していますので、入れ歯に関してお困りのことがあれば、ぜひご相談ください。