こんにちは!大元駅近くのかえで歯科クリニックの院長、八田です。
本日は、口腔機能と栄養について、私が大学在籍時に携わった研究の結果をもとにお話しさせていただきます。
厚生労働省の調査によると、健康維持のために気を付けていることとして、運動、睡眠、食事・栄養の3つが挙げられ、その中でも栄養への関心が最も高いとされています。特に、野菜を十分に摂取することが、循環器系疾患や脳卒中のリスクを減少させることが明らかにされています。一方で、食物繊維やたんぱく質、ビタミン類が不足し、カロリーが高い食事を多く摂取していると、健康寿命の短縮を引き起こす可能性があることも報告されています。
70歳の高齢者を対象とした研究では、咬合力(かむ力)と栄養摂取の関連について調査が行われました(1)。咬合力の強さによって対象者を低位群、中位群、高位群の3つに分け、それぞれの食物群の摂取量との関係を分析した結果、咬合力が強い高位群は、低位群に比べて緑黄色野菜やその他の野菜の摂取量が多く、逆に穀物類の摂取量は少ないことが分かりました。また、抗酸化ビタミンや食物繊維の摂取量も、高位群が低位群に比べて多かったと報告されています。
さらに、歯を失った場合でも、義歯を用いることによって食品摂取状態が改善されることが示されています。つまり、歯の本数よりも、口腔機能の維持が食品や栄養摂取において重要であることが明らかになっています(2,3)。
この研究結果から、日々のケアやメインテナンスで歯を守ることが大切であることはもちろん、仮に歯を失った場合でも、義歯やインプラントによって口腔機能を維持することが、栄養摂取の向上に繋がることが分かります。
(1) Inomata C, Ikebe K, Kagawa R, et al. Significance of occlusal force for dietary fibre and vitamin intakes in independently living 70-year-old Japanese: from SONIC Study. J Dent. 2014;42(5):556-564.
(2) Inomata C, Ikebe K, Okada T, Takeshita H, Maeda Y. Impact on Dietary Intake of Removable Partial Dentures Replacing a Small Number of Teeth. Int J Prosthodont. 2015;28(6):583-585.
(3) Inomata C, Ikebe K, Okubo H, et al. Dietary Intake Is Associated with Occlusal Force Rather Than Number of Teeth in 80-y-Old Japanese. JDR Clin Trans Res. 2017;2(2):187-197.